しおれている(しほるる)のは、一体何なのだろうか。──それは、あんずの花の色のようだ。
一粒の水滴がこぼれ落ちたあと、木の芽がぐんと伸びていくようだ。
菜の花が咲き広がる中、東の空には月が昇り、西の空には太陽が沈んでゆく。
散った花びらが、枝に戻るのかと思ったら──それは蝶だったのだ。